精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

2020年から2050 年までのがんの経済的コストの予測

がんによる死亡は人口を減少させ、労働年齢の人口を減らす。罹患すると生産性は低下、欠勤が増加する。がん患者がいる世帯は、貯蓄の一部を自己負担の治療費に充てることになる。がん治療費の保険負担分は、国によって健康保険の制度は異なるが、一般的に民…

ALK融合遺伝子陽性肺癌 ~ 融合遺伝子タイプと治療薬

ALK陽性肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)の一種で、ALK遺伝子が他の遺伝子(多くはEML4)と融合することにより、肺細胞の異常な増殖と挙動を引き起こすことで発症します。ALK陽性肺がんは、肺がん全体の約5%を占め、若い患者さんに多く、約半数が50歳以前…

国際石油会社(IOC)と国営石油会社(NOC)~ perplexity aiによる情報収集

自動文章生成AIの一つであるperplexity aiを使ってIOCsとNOCsについて調べてみた。

シリコンバレー銀行破綻 ~ 続き

シリコンバレー銀行の預金は全額保護される。リーマン・ショック後に成立したDodd-Frank法により税金を使って救済することができなくなっているので、米国債を担保にして融資枠を増やすようだ。しかし、FRBが利下げすれば、インフレが加速するので、結局納税…

シリコンバレー銀行急速破綻の原因

シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank, SVB)の破綻は、預金しているスタートアップ企業やベンチャーキャピタルの預金引き出しの取り付け騒ぎが原因だが、破綻まで2日とスピードがすごく早い。調べてみたら多くの企業がSVBのみに資産を預けていてリスク…

ArcherMET製造終了

肺癌のコンパニオン診断薬の一つであるArcherMETが製造販売会社Ivitae, Inc.の経営方針の変更のため、製造終了することになり、肺癌を取り巻く医療界に激震が走った。

トラスツズマブ デルクステカンのHER2変異陽性非小細胞肺癌への効果

トラスツズマブ デルクステカンTrastuzumab Deruxtecan(旧名 T-Dxd、開発コード:DS-8201)はトラスズマブとトポイソメラーゼI阻害剤デルクステカンの複合体であり、デルクステカンは細胞内で細胞死を引き起こす(抗体薬物複合体(antibody drug conjugate,…

製薬業界のビジネスモデルは崩壊している

最近のの分析では、製薬業界全体の内部収益率は2020年にはゼロになっている。現在のビジネスモデルでは、すでに儲からない業界になっている可能性がある。

肺がんコンパクトパネル保険収載

肺がんコンパクトパネルが2023年2月13日に保険適用になり、検査サービスが開始されることになった。

エンドゲーム

Endgame (Stable Diffusion) 年末年始には戦略シミュレーションゲームに熱中していた。タクティクスオウガリボーンというゲームだが、オリジナルは1995年のタクティクスオウガで2度目のリメイクだ。碁盤のような升目上のフィールドで味方側のキャラクタ…

肺がんコンパクトパネル製造販売承認及びプレプリント改訂版アップロード

2022年11月16日、私達が研究開発してきた肺がんコンパクトパネルの承認が厚生労働省から降りた。 会社名 : 株式会社DNAチップ研究所販売名 : 肺がん コンパクトパネルⓇ Dxマルチコンパニオン診断システム一般的名称 : 体細胞遺伝子変異解析プログ…

ドライバー変異のない非小細胞肺癌のASCO診療ガイドライン - 2022年版

ドライバー変異のない非小細胞肺癌のASCO - Ontario Health (Cancer Care Ontario) の診療ガイドラインの最新版が米国臨床腫瘍学雑誌に掲載された。

自傷的経済抑制は金融経済崩壊のカモフラージュ ~ 様々な状況証拠

Economy Crisis by Salvador Dali (Stable Diffusion) 金融経済をベースに現在の社会現象を分析したエドワード・ダウド氏のインタビューは、現状を最も矛盾なく説明している(自傷的経済抑制の説明:金融経済崩壊のカモフラージュ - 精密医療電脳書; グレー…

米国臨床腫瘍学会誌の医療費用対効果に関する論説

Journal of Clinical Oncology(JCO)は米国臨床腫瘍学会American society of Clinical Oncology(ASCO)の学会誌で代表的な臨床腫瘍学の雑誌である。最近医療経済に関する興味深い記事が掲載されていた。 Ramsey, S.D., Friedberg, J.W., Cox< J.V., and Pe…

日銀の金融緩和継続は現行の金融システム防衛のため

米国とEUは、インフレ抑制のため利上げと金融引締を行っているが、日本はどちらも行わず金融緩和を続けている。日本のインフレは軽度だから金融政策に変更はないのか、とぼんやり考えていたが、積極的な理由がある、という論説をみつけた。

新型コロナウイルスに関するメモ(4)~ 超過死亡のシミュレーション分析、ワクチン後心筋炎からのスパイク蛋白検出

最初に前の記事コロナメモ(3)の続き。 超過死亡に関するシミュレーション分析がアゴラに掲載されていた。 agora-web.jp シミュレーションは現実世界の出来事をいくつかのパラメータで簡略化して示すものであり、一つの仮説を提示したものにすぎないが、こ…

新型コロナウイルスに関するメモ(3)~ オミクロン株出現で潮目がかわった

今日のツイッター・トレンドに「超過死亡」、「ワクチンのせい」、「人口削減」が上がっており、世の中の新型コロナウイルス及びワクチンに対する姿勢はおおよそ固まってきたように思う。オミクロン株の出現がターニングポイントで、それ以前は直接の知人が…

新型コロナウイルスのワクチン効果を水増しするトリック

接種後2週間以内の接種者を未接種者として分類すると、見かけ上の有効率は上昇する。

超過死亡とワクチン死亡報告

いまのところワクチンと超過死亡に関しては、はっきりしたことはわからない。厚生労働省のデータでは、ワクチンによる死亡報告は1000万人あたり70件である。

Stable Diffusionで遊ぶ 〜 日本の寺院を襲う龍

自動画像生成AIについて興味深い記事がMITテクノロジーレビューに掲載されていた。 www.technologyreview.jp この記事の本題は、自動画像生成AIで模倣される作家の著作権の問題だが、面白いのはStable Diffusionで指定される画家には歴史上の画家は少なく、…

欲望の資本主義2022夏 特別編 「メタバースの衝撃 デジタル経済のパラドックス」

Virtual reality by Diego Velázquez (created with Stable Diffusion) 欲望の資本主義2022夏 特別編 「メタバースの衝撃 デジタル経済のパラドックス」が秋分の日に地上波で再放送されていた。地上波はBSと異なり1週間ほど配信されるので便利である。この…

自傷的経済抑制の説明:金融経済崩壊のカモフラージュ

World Map by Pablo Picasso (created with Stable Diffusion) 以前の記事で西欧や中国の経済抑制政策は避けることは可能なはずなのに故意に行っているように見える、と書いた(世界的な自傷的経済抑制:G7のロシア外貨準備凍結、EUロシア産石油禁輸、上海ロ…

Stable Diffusionで遊ぶ 〜 歴史上の画家が描く宇宙船

今話題のStable Diffusionはオープンソースの画像生成AIで、英語のテキストを入力すると自動的に画像を出力する。このソフトウェアを使って、歴史上の画家に宇宙船Spaceshipを描いてもらった。 ベラスケス まず「画家の王」と呼ばれたベラスケス。特に右の作…

輪るピングドラム:混乱した現実社会のミニアチュア

Penguindrum by Salvador Dali (Stable Diffusion) 「輪るピングドラム」は2011年のTVアニメーションで、幾原邦彦の監督・脚本作品だ。独創的な作風のアニメーションで、他のクリエーターに大きな影響を与えたという。しかしストーリーが難解で、熱狂的…

2020年米国大統領選挙:ミシガン州のデータ操作

2020年米国大統領選挙からもうすぐ2年になる。中間選挙を控えて、トランプ元大統領について報道されるようになってきた。主流メディアの報道姿勢は当時と較べるとかなり穏健だ。当時は反トランプキャンペーンが張られ、選挙不正はすべてフェイクニュー…

BRICSの台頭とドル基軸通貨制の崩壊

ロシアのウクライナ侵攻とその後の経済制裁によって通貨制度が大きく変わる可能性が高まり、業界でも指摘する人が現れた。このことは以前の記事で紹介した。 precision-medicine.jp ウクライナ侵攻に対する米国の経済制裁では、ロシアがFRBに預けているドル…

医師主導型固形癌第 I 相試験の奏効率は20年で約2倍になっている

米国国立がん研究所(NCI)は、自身の治験支援プログラムであるCancer Therapy Evaluation Program、CTEPで2000年から2019年に行われた固形癌の第I相臨床試験の患者データを分析し経時的変化を明らかにした。 まず、重要な点はこれは公的機関が支援…

リキッドバイオプシーによる残存腫瘍病変の検出:臨床上のメリットの検証

血中腫瘍DNAを使って術後の腫瘍残存病変を検出できる。新しいDYNAMIC trialはステージII大腸癌に応用して、術後化学療法の実施数を減らすことが可能であることを示した。

新型コロナウイルスまとめメモ(その2) 〜 特にオミクロン株の起源

現時点(2022年8月)での個人的な見解をまとめた。 日本の現状 8月下旬現在でも感染状況は、世界的に見ても最悪だ。 www3.nhk.or.jp この半年のワクチン接種率は日本が68.9%と他の国と比較して圧倒的に多い。特にイスラエルなど1.95%に過ぎ…

中国所感:勝海舟と妙佛 DEEP MAXで中国を理解する

最近遺伝子診断事業を一緒に立ち上げている会社の会長さんと話をする機会があり、中国の現状について訊いてみた。ひどいということで、品質管理も十分行われていない、という状況らしい。昨年の夏頃、中国が他の国よりいち早く経済回復したときには、生産が…