精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

がん その他

ビジネスの視点から:遺伝子検査パネル、リキッドバイオプシー、新型コロナウイルスワクチン

医学の先端的研究の多くは、民間企業との連携が不可欠だ。しかし民間企業は利益追求が本来の目的であるため、医学研究に色々な影響を及ぼしている。営利企業のほうがアカデミアよりも強いため、科学者よりも投資ファンドや市場のほうが的確な評価を下すこと…

新薬開発が危機に陥っている理由とその影響

製薬業界は新薬開発にかかる費用を回収できなくなっている。創薬が容易で対象患者が多い分野がすでに開発されてしまい、創薬が困難で対象患者が少ない分野が残ってしまったためだ。

2020年から2050 年までのがんの経済的コストの予測

がんによる死亡は人口を減少させ、労働年齢の人口を減らす。罹患すると生産性は低下、欠勤が増加する。がん患者がいる世帯は、貯蓄の一部を自己負担の治療費に充てることになる。がん治療費の保険負担分は、国によって健康保険の制度は異なるが、一般的に民…

米国臨床腫瘍学会誌の医療費用対効果に関する論説

Journal of Clinical Oncology(JCO)は米国臨床腫瘍学会American society of Clinical Oncology(ASCO)の学会誌で代表的な臨床腫瘍学の雑誌である。最近医療経済に関する興味深い記事が掲載されていた。 Ramsey, S.D., Friedberg, J.W., Cox< J.V., and Pe…

医師主導型固形癌第 I 相試験の奏効率は20年で約2倍になっている

米国国立がん研究所(NCI)は、自身の治験支援プログラムであるCancer Therapy Evaluation Program、CTEPで2000年から2019年に行われた固形癌の第I相臨床試験の患者データを分析し経時的変化を明らかにした。 まず、重要な点はこれは公的機関が支援…

ASCO2022概観

米国臨床腫瘍学会年会American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting は毎年6月初めにシカゴのマコーミック・プレース(MaCormik Place)で行われる癌に関する世界最大の学会だ。普通の学会は研究者の発表とコミュニケーションの場だが、臨…

GBD2019 〜 がんの発症・死亡の増加率は途上国の方が大きい

204の国・地域のがんの発症と死亡が2010年から2019年にかけて、両者とも増加傾向にある。社会開発状況をみると途上国で増加傾向がより強い。

コーヒーのがん抑制効果

最近大腸がん患者についてがんの進行とコーヒー摂取の関連性について2つの研究が発表された。どちらの研究でもコーヒー摂取により病勢の進行を軽減する効果があった。

ピロリ菌除菌の効果

胃粘膜は、萎縮性胃炎から腸上皮化生に進行し胃癌に至る、と考えられている。ピロリ菌Helicobacter Pyroliはこの過程を促進する。最近韓国とコロンビアのピロリ菌除菌の効果に関する報告があった。

新型コロナウイルス禍によりがんの発見と手術が遅れるため、がんによる死亡が増加する

新型コロナウイルスのために一般医療が妨げられている。大きな原因は2つあって、ひとつは人々が感染を恐れて医療機関を受診しなくなること。もう一つは新型コロナウイルスに対応するために、医療機関の負担が増大し、一般の医療があとまわしになっているこ…