精密医療電脳書

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エンドゲーム

Endgame (Stable Diffusion)


年末年始には戦略シミュレーションゲームに熱中していた。タクティクスオウガリボーンというゲームだが、オリジナルは1995年のタクティクスオウガで2度目のリメイクだ。碁盤のような升目上のフィールドで味方側のキャラクターを動かして敵方のキャラクターを殲滅していくゲームである。敵方の戦闘アルゴリズムは特に賢いわけではないので、通常のロールプレイングゲームと同様キャラクターを経験値と強力な武器で強化すればゲームをクリアすることは難しくない。このゲームの面白いのはCHARIOTというゲームを巻き戻す機能だ。このゲームでは敵方のキャラクターを倒したときに武器などの貴重なツールを低確率で落とす。そのため特定のツールがほしいときは、ゲームを何回も巻き戻して、同じ操作を微妙に条件を変えながら繰り返せば、手に入れることができる。これは、現在のソーシャルゲームに通じるアイデアで、ソーシャルゲームでは欲しいキャラクターやツールを「ガチャ」と呼ばれている有料のくじ引きを繰り返して手に入れる(これがソーシャルゲームのビジネスの根幹)。ソーシャルゲームのルーツはこのあたりにあることがわかって興味深かった。

 

現在の社会現象を経済体制変換をめぐるゲームとみなすと、このゲームはエンドステージに近づいているように見える。決定的に思えるのは、サウジアラビアが石油取引決済通貨をオープンにしたことだ。ちょっと前から中国とは人民元で取引するとしていたが、ドル以外のいろいろな通貨で決済可能と宣言した。

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1971年に米国政府は金との交換の停止を発表(ニクソン・ショック)、以降ドルは金と交換できない不換紙幣となった。このときドルの価値を保証するために作られたシステムがペトロダラーだ。1970年代の初めにサウジアラビアとの交渉で、米国はサウジアラビアの安全を保障するかわりに原油取引をドルのみで行う(ペトロダラーシステム)という取り決めに基づいている。このシステムの崩壊の徴候は昨年から見られて、顕著なものはサウジアラビアとロシアの軍事協定締結である。

precision-medicine.jp

今回のサウジアラビア財務相の発言は決定的なものだが、経済関連のニュースソースではあまり話題になっていない。論理的に考えると、ドルの価値を裏付けるシステムがなくなるわけだから、ドルを中心とした現在の通貨制度そのものが大きく毀損することになる。パンデミックやロシアのウクライ侵攻の根本の要因は現在の経済システムの異変にある、とするエドワード・ダウド氏の見解が最も納得がいく。そう考えると、経済システムの崩壊が近づいている中、世界の混乱もエンドステージに近づいていることになる。

 

ドルの価値がなくなった世界というのは、どういう世界になるのだろうか? ドル自体に価値がないので、ドルが価値の指標にならない。すなわち株価や為替レートは意味をなさないのだ。ドルの崩壊は、株やドルの暴落ではなく別の現象がおこるのだろうか。戦後ドイツや日本で通貨が崩壊したときはハイパーインフレになったが、今回も似た経緯をたどるのだろうか。