精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

雑記

ロンネフェルト スリーピングポット

ロンネフェルトRonnefeldtというドイツの高級紅茶メーカーがある。オリジナルブレンドのアイリッシュモルトはロンネフェルトの代表的オリジナルブレンドだが、ミルクティーにすると、イギリスのバブでよくでてくるベイリーズのアイリッシュ・クリームの雰囲…

将棋AI 〜 続き

羽生善治九段と成田悠輔准教授のAIに関する対談があり、大変面白かった。前編と後編があるが、AIに対する話は前編に集中しています。 www.youtube.com chatGPTによって、はじめてAIが一般社会に大きな影響を与え始めたが、将棋界はそれよりもずっと早い時期…

量子ビットの確率振幅について理解する

量子ビットは、0と1の重ね合わせ状態を持つことができる情報の単位だ。この重ね合わせ状態は、確率振幅という数値で表される。確率振幅は複素数であり、大きさだけでなく位相という角度も持つ。確率振幅が量子コンピュータを理解する鍵だ。

三体:基礎物理学実験へ介入する地球外文明の話

「三体」は中国のSF作家劉慈欣が2008年にかいたSF小説で、日本語訳は2019年に出版されている。当時ベストセラーになり、科学者の間でも評判になった。この度遅ればせながら読んだ。先日アマゾンプライムで「接続された未来 - ペリフェラル」を見たが…

ペリフェラル ~接続された未来~ :パラドックスのないタイムトラベル系ドラマ

「 ペリフェラル ~接続された未来~ The Peripheral」は、Amazonプライム・ビデオで配信されているSFドラマだ。原作はウイリアム・ギブソンの小説で、現在のノースカロライナと未来(70年後?)のロンドンが舞台である。タイムトラベル、シミュレーション、…

Stable Diffusionで遊ぶ 〜 日本の寺院を襲う龍

自動画像生成AIについて興味深い記事がMITテクノロジーレビューに掲載されていた。 www.technologyreview.jp この記事の本題は、自動画像生成AIで模倣される作家の著作権の問題だが、面白いのはStable Diffusionで指定される画家には歴史上の画家は少なく、…

Stable Diffusionで遊ぶ 〜 歴史上の画家が描く宇宙船

今話題のStable Diffusionはオープンソースの画像生成AIで、英語のテキストを入力すると自動的に画像を出力する。このソフトウェアを使って、歴史上の画家に宇宙船Spaceshipを描いてもらった。 ベラスケス まず「画家の王」と呼ばれたベラスケス。特に右の作…

中国所感:勝海舟と妙佛 DEEP MAXで中国を理解する

最近遺伝子診断事業を一緒に立ち上げている会社の会長さんと話をする機会があり、中国の現状について訊いてみた。ひどいということで、品質管理も十分行われていない、という状況らしい。昨年の夏頃、中国が他の国よりいち早く経済回復したときには、生産が…

ファイナルファンタジーX:SFの衣を纏わない仮想世界の物語

今週のお題「SFといえば」 この1ヶ月の間ゼルダの伝説に引き続きファイナルファンタジーXに熱中していた。最強の裏ボスを倒してしまったので、流石に飽きてきてしまった。それでは医学研究でもするか、というところだ。 ファイナルファンタジーシリーズの多…

アイスティーのつくりかた

ルピシアの香り付き烏龍茶(白桃烏龍)を頂いたところ、大変美味しかった。同社は紅茶、烏龍茶、緑茶を使った香り付き茶(ルピシアではフレーバードティー)を多種類販売しているが、これまで飲んだフレーバードティーはいづれも茶葉の風味とフレーバーが調…

ゼルダの伝説スカイウォードソード・ラネールの時空石:動的四次元パズル Dynamic Four-Dimensional Puzzle

ゼルダの伝説は不世出のゲームデザイナー宮本茂が創始した任天堂のビデオゲーム・シリーズだ。スーパーマリオ・シリーズと対をなしたシリーズで、宮本茂の説明では、両者ともアクションと謎解きの要素がある似たゲームだが、スーパーマリオはアクション中心…

紅茶を楽しむ個人的方法 〜 アールグレイ

周りを見ているとコーヒーを愛飲する人が多いが、私は完全な紅茶派だ。ただ嗜好品に多大な労力を注ぐことはなく、簡便な方法を工夫している。紅茶の中ではアールグレイは特別で、普通の紅茶は和菓子には向かないが、アールグレイは和菓子でも楽しめるし、ま…

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「メッセージ(原題 Arrival)」:「未来の記憶」の物語

科学の本質についていろいろな議論があるが、予測 predicdtion こそが科学の本質である、という見解がある。予測能の検証試験は機械学習の分野で定式化されている:学習セットと呼ぶデータで予測システムを造り、それを検証セットと呼ぶデータで検証する。こ…

クラスルーム ―リトグラフを学ぶ、リトグラフから学ぶ―

展示会 「クラスルーム ―リトグラフを学ぶ、リトグラフから学ぶ―」 ギャラリー恵風 2021年11月4日(木)~11月14日(日)

パワー・インフレーション

据え置き型ゲーム機全盛の時代は、もっぱらゼルダの伝説に熱中していた。スマートフォンのゲームが充実してくると、そちらのほうがどこでもできるので、スマートフォン版のファイナルファンタジーを片端からクリアしてきた。プレイするファイナルファンタジ…

量子ビット

量子コンピュータに関して、ようやく何が理解を妨げているのかわかった。現在の情報科学における情報の基本単位はビットだが、量子コンピュータの場合情報の基本単位は、量子ビットになる。量子ビットはビットと違って、ヒトの脳でイメージをつくるのが極め…

天橋立 〜 傘松公園と天橋立ビューランド

天橋立には傘松公園と天橋立ビューランドの2ヶ所の展望所がある。撮った写真を地図と合わせてみた。

Come in sight

”come in sight”は日本語にすると「見えてくるもの」という意味です。 何かをじっとみていると人の顔のように見えてくることはありませんか。例えば月のクレーター。じっと見ているとうさぎにみえたり、女の人の横顔にみえたり。

オペラへの関心

自分に褒美、ということなら、特別な出費が必要な買い物、食事、旅行といったところではないだろうか。ただし自身は高価な出費は、よく考えた後決心するので、褒美という感覚で行うことはあまりない。しかし全くないか、というとそうでもない。以前の記事に…

アイキャッチ画像 〜 エヴァンゲリオン風

初版(2020年8月1日) ドメインを precision-medicine.jp に変更したので、ブログ専用アイキャッチ画像も自前のものを用意しよう、と考えた。私のブログ記事では多くの画像を使っているが、ネット上の学術雑誌から取ってきたものが多い。学術雑誌は従…

銘酒誕生物語

全国各地の地酒を作る蔵元の中で、独自の方法で銘酒を造る蔵元、特に若い蔵元を紹介する21回のシリーズ。スペシャルは現在の日本酒製造のトレンドを創始した高木酒造の15代目蔵元の紹介である。

イギリス紅茶とチョコレート菓子

NHK が研究室に取材に来たとき、私の机の上にはマシュマロが置いてあった。スタッフの人に「これ置いておいて大丈夫ですか?」と尋ねたところ、「大丈夫です」という答えであった。てっきり編集のときにカットしてくれるのか、と思いきや、実際に放映された…

現在の将棋:人の脳によるAIのエミュレーション

数年前電王戦で棋士が将棋ソフト(以降将棋AI)と対決して圧倒されたのち、以降AIとの対決は行わない、ということになった。AIのほうが人の頭脳よりも強いのは明らかになったため、直接対決の意義はなくなった、というのが理由である。その後将棋界はどのよ…

Violet Evergarden

諸用の帰りに映画館で見てきた。強い感動を与えるアニメーション映画。 violet-evergarden.jp 第一次世界大戦頃のヨーロッパに似た仮想世界で、主人公の置かれた環境も極端。また原作者が若い人のようで、恋人との関係や親子関係の描き方も単純で仮想的だが…

EXO

[一般的注意] 映画の結末に関する内容が含まれているので、鑑賞予定の人は注意すること。 [遺伝子解析技術に興味のある人への注意] EXOは exonuclease とは全く関係はない。 EXO(原題:Alien Invasion: S.U.M.1)は2017年のドイツの映画。アマゾンプラ…

長い2020年上半期 〜 新型コロナウイルス所感

NSF(National Science Foundation)の 研究者 Philip Gable らは、パンデミックの最中のアメリカ国民の感情、認識、行動を記録するスマホのアプリを開発し、人々の時間感覚がどのようにかわったのか、そしてその原因を調査した(「新型コロナウイルスによる…

虚構推理 〜 フェイクの力

虚構推理。原作者城平京のアニメ。最近テレビ放送されていたが、アマゾンプライムで視聴。原作は読んでいない。虚構推理ではフェイクが「鋼人七瀬」という凶暴な怪異を生み出したが、現実は遥かに凶悪だ。「ナイラ証言」を思い出す。

新型コロナウイルスワクチン 〜 期待と現実のギャップ・フィリング

新型コロナウイルスワクチンへの期待は大きいが、これまでのワクチン候補の多くは最終試験で効果がなく、そのため政府機関に承認されたワクチンは全体の1割程度である。このギャップはどうなるのか。

ロシアン・ティー・タイム

先日の記事(シカゴ、5月29日)の続き。シカゴ滞在時、必ずロシアン・ティー・タイムというロシア料理店を訪れることにしている。私の訪米の目的は、実はASCO参加だけではなく、シカゴ交響楽団を聴くことだが、ロシアン・ティー・タイムはいつも泊まって…

シカゴ、5月29日

本日シカゴへ向けて立つ予定だった。しかし新型コロナのため行けなくなった。 医学の世界での最大のイベントのひとつ、米国臨床腫瘍学会年次総会(通称ASCO)は毎年5月末から6月はじめにかけてシカゴのマコーミック・プレイスで開かれる(昨年までは)。世…