精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

2022-01-01から1年間の記事一覧

Trop-2を標的にした抗体薬物複合体 sacituzumab govitecan

Trop-2(別名Tumor-associated calcium signal transducer 2, TACSTD2)はEpCAMと類似した構造をとる膜タンパク質であるが、生体内での機能はよくわかっていない。高発現が複数の癌腫で予後不良と相関していることから、分子標的薬が開発されている。本稿で…

ブレトン・ウッズ3:パンデミック・ウクライナ侵攻後の経済 〜 現物資産に裏付けられた人民元が台頭する

新型コロナウイルスのパンデミックとウクライナ侵攻後の社会は、これまでとは違ったものになる、と多くの人が考えているが、はっきりした発言がなされることはあまりなかった。社会の様相に経済は大きく影響するが、3月6日にクレディ・スイスCredit Suisse…

エネルギー危機と食糧危機はコモディティの価値を上げる

ウクライナ侵攻後の欧州でのエネルギー危機は西側が故意に引き起こしたものであり、自傷的経済抑制というべきものだ、と以前の記事で述べた。食料に関しても、ウクライナ・ロシアは世界の穀倉地帯であり、世界的な食糧危機を引き起こす、と言われている(ウ…

免疫チェックポイント阻害剤と免疫系分子標的薬の併用:デュルバルマブ+オレクルマブ/モナリズマブ

COAST第II相試験は、デュルバルマブdurvalumabとオレクルマブoleclumabあるいはモナリズマブmonalizumab併用とデュルバルマブ単剤の比較で、併用療法の優位が示唆された。

新型コロナウイルスまとめメモ

現時点(2022年5月)での個人的な見解をまとめた。 パンデミック SARS-CoV-2は遺伝子改変されたウイルスなので、このパンデミックは人災だ。ウイルスの塩基配列の解読では、自然発生である可能性は非常に低く、人為的に改変された、とするのが最も納得…

非小細胞肺癌術後補助療法での免疫チェックポイント阻害剤アテゾリズマブの効果

アテゾリズマブは術後補助療法において明らかに無病生存期間の延長する。とくにPDL-1 50%以上の患者で奏効率が高い。EGFR変異の有無は影響なさそうだ。

世界的な自傷的経済抑制:G7のロシア外貨準備凍結、EUロシア産石油禁輸、上海ロックダウン

新型コロナウイルスとウクライナ侵攻により社会は激変した。グローバル経済とドル基軸通貨制は崩壊し、新しい経済体制に移行すると思われる。最近各国が行っている経済抑制政策は、新しい経済体制へ移行のために必要なステップかもしれない。

Single-molecule mutation sequencing, SMM-seq

新たに開発されたstrand displacement polymeraseを用いたローリングサークル増幅に基づく高精度塩基配列決定法。Duplex sequencing の原理を応用している。

編集された世界 The Edited World

自分で研究上の情報収集では、情報の真偽について常時注意を払うが、一般社会で起こっていることは、ニュースサイトやTVの真偽は気にせず、だいたいは正しい、と考えてきた。もちろんときどき間違っていることもあるが、量としては少ないので、とくに注意し…

肺癌の精密医療 2022:遺伝子情報による治療薬選択

2022年4月時点での非小細胞肺癌の精密医療、すなわち治療薬選択アルゴリズムを記した。

GBD2019 〜 がんの発症・死亡の増加率は途上国の方が大きい

204の国・地域のがんの発症と死亡が2010年から2019年にかけて、両者とも増加傾向にある。社会開発状況をみると途上国で増加傾向がより強い。

ロシア経済制裁によるドル基軸通貨制の崩壊

ロシアのウクライナ侵攻後の西側の経済制裁発動後、ドル覇権の凋落が始まった。ウクライナ侵攻の直接の影響よりも、ドル基軸通貨制の崩壊の方が世界にずっと大きな影響を与えるだろう。 どの国も予期しない大きな為替変動に対応するため外貨が必要である。他…

ロシア・ウクライナ侵攻:対立の構図 〜 ロシア・プーチン政権 vs 米国ネオコンとそのスポンサー

ロシアのウクライナ侵攻には、政治・軍事と経済の2つの戦線があり、経済戦線の趨勢は市民生活に直接影響を与える。この戦争で対峙しているのは誰だろうか? ロシア側はプーチン政権だが、政治・軍事の戦線で対峙するのは、ウクライナ政府ではなく米国政府、…

血中遊離DNAの断片長分布から乳癌術前化学療法の奏功性を予測する

血中腫瘍DNAの検出に腫瘍特異的遺伝子変異ではなく遊離DNA断片長に注目した診断法である。極めた単純で初歩的な技術を使っている点が興味深い。

ロシア・ウクライナ侵攻の目的:生物兵器と国際金融経済システムの破壊

NATO加盟問題やウクライナの通常兵力などは緊急の問題ではないため、生物兵器など別の問題があったのではないか。侵攻開始とG7のロシア外貨準備凍結により、現在の国際金融経済システムは崩壊してしまった。ロシアは意図的に狙っていた可能性がある。

紅茶を楽しむ個人的方法 〜 アールグレイ

周りを見ているとコーヒーを愛飲する人が多いが、私は完全な紅茶派だ。ただ嗜好品に多大な労力を注ぐことはなく、簡便な方法を工夫している。紅茶の中ではアールグレイは特別で、普通の紅茶は和菓子には向かないが、アールグレイは和菓子でも楽しめるし、ま…

ハスキルとコルトー

水谷豊の相棒20第14話「ディアボロス」を見て、ハスキルとコルトーのエピソードを思い出した。クラシック音楽に関係した最も悲しいエピソードだ。 アルフレッド・コルトー(左)、クララ・ハスキル(右)。 クララ・ハスキル(Clara Haskil, 1895 - 1960…

メディアとSNSがつくる仮想現実の世界 〜 マトリックス新作の意義

ネオがみる、機械がつくる仮想現実の世界。ネオは背後にあるアルゴリズムの動きを把握できる。マトリックス(1999)より。 マトリックス ・レザレクションズは2021年12月17日に公開されたマトリックス3部作(1999−)の続編だ。マトリックス…

バンデン・ボッシュ博士の公開書簡2通目:オミクロン株流行で人類は真の集団免疫を獲得する

オミクロン株は新型コロナウイルスの弱毒化生ワクチンとみなすことができる。生ワクチンでは、ウイルス全体に対する免疫ができるため、新たな変異株に対しても効果がある。オミクロン株流行の結果、真の集団免疫が得られるであろう。

オミクロン株:人工ウイルスの可能性(続き)

3つの自然発生説と人工ウイルス説について説明した。齟齬なくオミクロン株の起源を説明できる仮説はない。