精密医療電脳書

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世界的な自傷的経済抑制:G7のロシア外貨準備凍結、EUロシア産石油禁輸、上海ロックダウン

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行、そしてロシアのウクライナ侵攻により社会は激変し、パンデミックや戦争の脅威が終わっても、もとの社会には戻るとは思えない。グローバル経済とドル基軸通貨制は崩壊し(ロシア・ウクライナ侵攻の目的:生物兵器と国際金融経済システムの破壊 - 精密医療電脳書)、全く新しい経済体制に移行すると思われる。最近各国が行っている経済抑制政策は、新しい経済体制へ移行のために必要なステップかもしれない。

 

 

COVID-19

公式にはCovid-19の原因ウイルスSARS-CoV-2は2019年11月に中国武漢で最初に発見されたことになっている。ただしそれ以前に採取された保存検体からも検出されている点には留意する必要がある。重要な点は、SARS-CoV-2は人為的に遺伝子改変されたウイルスであることだ(新型コロナウイルス 〜 遺伝子改変の痕跡 - 精密医療電脳書)。従ってこれまでの歴史上のパンデミックとは異なり、自然発生ではなく人類が引き起こしたものである。米国政府の資金を使って開発されたものだが、米国で実施が禁止されている機能実験は武漢研究所で行われたようだ。事故で流出したのか、人為的に散布されたのかは今の所わからない。

引き起こされたパンデミックの結果、強力な人流制限政策が各国でとられた。強力なロックダウンが行われた国も多い。トランプ政権のワクチンワープスピード計画により、2021年にはワクチンの大規模接種が可能になった。ロックダウンのような一律の行動制限ではなく、ワクチンパスポートによるワクチン接種者の行動制限の免除等、ワクチンやウイルス検査を利用した選択的な行動制限策に移行したため経済活動はやや改善した。2021年中頃からデルタ株が蔓延するようになったが、デルタ株はワクチン耐性で、ワクチンは重症化は防止するものの感染は防止せず、COVID-19パンデミックは収まらなかった。

パンデミックは最終的に2021年11月にあらわれたオミクロン株で決着がついた。オミクロン株は他の株よりも感染力が強いが重症化率は低く、ほぼ「風邪」である。オミクロン株は他の変異株を駆逐してしまい、流行はしているものの「風邪」なので特別な対策は不要になり、パンデミックは終息した。オミクロン株は弱毒化生ワクチンとみなす専門家もいる。オミクロン株も人工ウイルスであり(オミクロン株:人工ウイルスの可能性 - 精密医療電脳書)、パンデミック対策のため人為的に散布された可能性が高い。

経済活動の制限の結果、2020年の世界の経済成長率は−3.5%になった(IMFによる)。ワクチンにより行動制限規制は緩くなったためか2021年の経済成長率は+5.5%に回復した(IMF、2021年の世界の経済成長率を5.5%に上方修正(世界) | ビジネス短信 - ジェトロ)。これから2020−21年の年率平均は+0.9%となるが、それ以前の年率+3%と比較するとかなり弱い。

 

ウクライナ侵攻以降

2022年2月24日にロシア軍のウクライナ侵攻を開始したが、その途端グローバル経済システムは崩壊してしまった。ブラックロックのCEOをはじめ何人かの業界関係者が指摘しているが、グローバル経済は平和により流通の安全が保証されていることが前提である。この前提が壊れてしまったので、もはやこれまでのグローバル経済を維持することは不可能だ。それに加えてさらに、各国は自身の経済活動を抑制する政策を再び取っている。

 

米国

バイデン大統領はFRBにあるロシアの外貨準備ドル資産を経済制裁として凍結してしまった(米欧、ロシア中銀へ制裁発動 外貨準備の利用制限―ルーブル下落に拍車:時事ドットコム)。これはロシアに対する債務不履行であり、基軸通貨であるドルの信頼性を著しく傷つける。この経済制裁でドルは経済活動とは別の理由で使えなくなるので、安全な通貨ではなくなり、実物資産や他の通貨へ移動が促される。すなわち基軸通貨としての信頼性が損なわれた、ということだ。簡単に予見できることであり、もちろんFRBのパウエル議長は反対している。米国の動きと連動してG7の中央銀行はロシアの外貨準備資産を凍結した。

 

EU

EU諸国はロシアの資源(天然ガス、原油)に依存しており、資源を買い続けるているため、ロシアへの経済制裁の効果が弱っている。経済制裁強化のためロシア産原油購入の禁止を決定してしまった(ロシア産石油、輸入禁止へ EU追加制裁、年内実施―最大手銀を決済網排除・欧州委案:時事ドットコム)。すでにEU各国は強いインフレーションになっており、市民の犠牲が増大する経済制裁が正当化できるのだろうか。EUは選挙で職員が選ばれるわけではなく、民主的な組織ではないので、市民のフィードバックがかからないのが問題だ。

 

中国

3月28日以降ゼロコロナ政策で上海に強力なロックダウンが行われている(5月上旬現在)。オミクロン株は風邪とかわらないので欧米は行動制限を撤廃しており、科学的には非常に不思議な政策である。真の目的は経済活動の破壊、という見方があり、多分こちらのほうが正しいであろう(上海ロックダウンの本当の理由がヤバすぎた…ゼロコロナはただの建前です - YouTube)。上海は物流の中心であり、ロックダウンのために船舶による輸送が停滞している(下図)。決済が滞るので、間接的にドルの基軸通貨としての価値に悪影響をおよぼすことになる。

上海港沖のトラフィックジャム。多数の船舶が停泊している。Marine Trafficより。

 

自傷的経済抑制の目的は?

米国・EU、中国ともに、背景は異なるが、同時期に経済抑制政策を行っていることには、何らかの理由か目的があるのではないか。ゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)は、オイルマネーと国債の再循環を基盤とした、1971年以降のドルを法定基軸通貨とするブレトン・ウッズ2は、G7がロシアの外貨準備を凍結したときに終わった、と指摘している。次に来るブレトン・ウッズ3を予見させる動きは、資源食料など現物資産の価値上昇とドル以外(例えば人民元)の台頭だ。

www.nikkei.com

ブレトン・ウッズ1からブレトン・ウッズ2への移行は、金本位制では経済成長に必要な通貨量を得ることができないためであった。ブレトン・ウッズ3では現在のような無制限の通貨発行ではなく、多分現物資産に裏付けれた通貨がベースになる、と思われる。金本位制や現物資産に裏付けれた通貨では、現在の不換紙幣とは異なり無制限の通貨発行は不可能になる。経済成長が続いていると通貨量増加への圧力が持続するので、ブレトン・ウッズ2から3への移行が円滑に行われない。そのため、経済活動を抑制する必要があるのではないか。表向きの理由(米国・EUは経済制裁、中国は対コロナ対策)では、自身へのダメージが大きすぎる。これらの政策が偶然同時期に現れたのか、それとも何者かの指示で行われているのかはわからない。

2021年2月に米軍が中心となってNESARA/GESARAを目指して新しい金融システムを構築している、というインテリジェンス情報が日本で流れた。NESARA/GESARAの骨子は、「国家債務の取り消し」と「金本位制あるいは資産の裏付けのある国家通貨の発行」である。常識では考えられない内容だが、現在「国家債務の取り消し」の方は、ロシア外貨準備凍結で部分的に成立している。またロシアがルーブルの金本位制を計画している(ロシア、金本位制復帰検討 実現なら1世紀ぶり:時事ドットコム)。NESARA/GESARAを予見させる経済的な動きが現れている。ブレトン・ウッズ3はNESARA/GESARAのことかもしれない。