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編集された世界 The Edited World

自分で研究上の情報収集では、情報の真偽について常時注意を払うが、一般社会で起こっていることは、ニュースサイトやTVの真偽は気にせず、だいたいは正しい、と考えてきた。もちろんときどき間違っていることもあるが、量としては少ないので、とくに注意しなくても問題はなかった。しかしながら新型コロナウイルス感染症の勃発以降、世の中はおかしい。メディアが提供する情報の歪曲がひどい。一番ひどかったのは、2020年の米国大統領選挙だ。大規模な不正があったが、主流メディアは不正など全く存在しない、という扱いだった。11月上旬にミシガン州の全選挙管理区のデータを分析したものを見て(Dr.SHIVA LIVE: MIT PhD Analysis of Michigan Votes Reveals Unfortunate Truth of U.S. Voting Systems. - YouTube)、実際の投票データではなく人工データに置き換えたものだ、と確信した。その後法的監査でミシガン州の投票機の精度が70%であることが明らかになり、この分析は裏付けられている。選挙結果に影響するほどの選挙不正にもかかわらず、不正に関して一切主流メディアでは報道されなかった。

考えてみれば、メディアの情報伝達技術は文書(新聞など)と映像(新聞の写真、TVなど)であるが、これらの技術の伝える情報の真偽とは関係がない。これまで人類が想像した文書・映像は、量としてはフィクションの方がずっと多いだろう。古い例としては、歴史書があるが、例えば、中国の正史は正確に記載するのが前提だが、前の王朝の歴史を記したものであるため、正史を記している王朝に都合の悪い事柄は歪曲されている。メディアのニュース報道のルーツは、近代化以降に経済活動を進めるための情報収集なので歴史は200年程度だ。ニュース報道で初めて情報の正確性が重要になった。

科学の世界、特に生命科学の世界では、一足早く前世紀の末頃から、研究不正が大きな問題になっていた。日本では小保方事件により、科学界の堕落は一般の人にも広く知られるようになった。科学は真実を明らかにすることが目的なので、データの捏造などの不正は自己否定になる:研究不正は無意味なのだが、研究者も人間で社会で生きていく都合上おかしなことをするわけだ。特に生命科学は実験結果の検証が面倒なので不正の敷居が低い。多くの研究不正発覚ののち、対策が取られるようになったが、研究倫理の講習の義務付け程度だ。専用ソフトウェアで不正の存在をスキャンする雑誌もあるが、完全ではない。

メディアの問題は、研究不正とは構造が異なり、新聞社・放送局などのすべてのメディアが同じ方向に事実を歪曲している。典型的な例は、東京オリンピックに関する報道で、オリンピック前には各新聞・各放送局そろってオリンピック反対キャンペーンが盛んに行ったが、オリンピックが始まった途端、反対キャンペーン等なかったように、オリンピックの報道が行われた。すべての新聞社・放送局の報道姿勢が一斉に変化する点が奇怪なのだ。新型コロナウイルスやウクライナ侵攻でも同じ現象が認められるので、強力な情報操作を感じてしまう。メディアのスタンスが、正しい情報を報道する、という姿勢から、現実世界を編集して見せたい世界を見せる、という姿勢に変貌したようだ。現在いろいろな情報はネットで集められるので、これらをもとにメディアがどのような世界を私達に見せたいのか、考えるほうが面白い。

現在リアルタイムで進行しているのはウクライナ侵攻だ。ウクライナ侵攻に関するメディア報道には2つの顕著な特徴がある。一つは、2014年マイダン革命以降の米国政府、米国ネオコンのウクライナ政府への関与を全く報道しないことだ。この件が広く知られると、ロシア側にも侵攻について一理あることになるので、一方的に非難しづらくなるためだ。もう一つは、ウクライナのネオナチについて一切報道しないことだ。これもロシア側に有利な事柄なので徹底的に隠蔽したのだろう。欧州では特に顕著で、2月24日の侵攻以前は結構メディア報道されていたのだが、侵攻以降報道がピタリと止まってしまった。日本では公安調査庁のホームページでウクライナ内務省管轄のアゾフ大隊はネオナチであることが掲載されていたが、4月になると、その部分が削除されてしまった。この2つが報道されないと、ロシアが一方的に領土的野心のためウクライナに攻め入ったように見えてしまう。日本では、プーチンが悪、という世論が圧倒的だ。

私達は親や先人から第二次世界大戦について直接話を聞いてきた世代だ。終戦直前日ソ不可侵条約を破って侵攻してきたソ連軍の話やシベリア抑留の話は何度も聴いているので、ロシアの行動は、日本人からすると理解しがたい点があるのも事実だ。

4月末になると、米国の関与もネオナチについても報道されるようになってきたので、情報操作をする側としては世論形成は完成したので隠蔽は不要、ということなのだろう。

戦況に関してはロシア不利、という報道バイアスがある。ネットで入手できる情報では、第三者では意見が別れている。政府見解としては、米国政府はロシア不利だが、ロシア政府自体は順調、と完全に食い違っているが、どちらも公式見解なので同じ重みで報道すべきだ。この報道バイアスは、悪のロシアを罰したい、という視聴者の欲求にこたえたものだろう。