精密医療電脳書

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バンデン・ボッシュ博士の公開書簡2通目:オミクロン株流行で人類は真の集団免疫を獲得する

オミクロン株は新型コロナウイルスの弱毒化生ワクチンとみなすことができる。生ワクチンでは、ウイルス全体に対する免疫ができるため、新たな変異株に対しても効果がある。オミクロン株流行の結果、真の集団免疫が得られるであろう。ただし、開発中の対オミクロンワクチンの集団接種はこのスキームを破壊する危険性がある。

 

1通目の公開書簡

ギアート・バンデン・ボッシュGeert Vanden Bossche博士は2021年3月6日にWHOへ公開書簡を送りへワクチン接種を直ちに中止するように呼びかけた。

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バンデン・ボッシュ博士の警告には関係なく大規模ワクチン接種が行われたが現在ワクチンの限界が見えてきている。

1通目の公開書簡での博士の予測は以下の2点である。

① ウイルス耐性の変異株が出現する。

インフルエンザのような地域的な流行(エンデミック)とは異なり、新型コロナウイルスのパンデミックの場合は、爆発的にウイルスが増殖するので多くの変異株が発生し、ワクチン接種者の増加に伴い、ワクチン耐性のものが定着するだろう。博士の予測どおりワクチン耐性のオミクロン株が流行している。

② ワクチン接種者の免疫が弱体化する。

ワクチン接種者の場合、ウイルスが侵入すると非特異的免疫が働く前に獲得免疫が働くので、非特異的免疫は弱くなる傾向がある。そのためワクチン耐性変異株に対する感染防御はワクチン接種者のほうが非接種者よりも弱い。J Sato氏はツイッターで各国の感染状況を頻繁に伝えているが、それによるとワクチン接種者のほうがオミクロン株に感染しやすい傾向が見て取れる。

ワクチンの限界は一般社会も認識しつつあり、BioNtechやモデルナの株価は下がってきている。欧州医薬品庁(EMA)が追加接種について十分な免疫反応が得られなくなる可能性を指摘、また住民の疲弊を招く危険性を指摘した(欧州医薬品庁、2回目のブースター接種の早期実施には懐疑的な立場(EU) | ビジネス短信 - ジェトロ)。また、ノルウェーの公衆衛生研究所の報告でもワクチンが小児の免疫能力の低下を招く危険性があることを指摘している。このようにバンデン・ボッシュ博士の公開書簡の内容が一般社会に受け入れられる状況になってきた。現在のオミクロン株の流行に鑑み、2021年12月24日博士は2通目の公開書簡を公開した。

 

2通目の公開書簡(精密医療電脳書で再構成)

主流派の科学者は、ワクチン接種によりウイルスの複製回数が減り、変異株の発生が抑えられる、と主張してきたが、現実は異なり、非常に感染力が強いオミクロン株が出現した。感染率が非常に高いこと、またすでに多数の変異株が流行していることから、これからも既存の変異株から新たな変異株が出現し続けるだろう。

しかし、現在のオミクロン株の流行には希望がある。オミクロン株は一般的に軽症であるため、新型コロナウイルスの弱毒化生ワクチンとみなすことができる。ファイザー、モデルナ、アストラゼネカなど既存のワクチンはウイルスの構成蛋白の一つであるスパイク蛋白が本体であり、スパイク蛋白に対する免疫しかできない。そのためデルタ株やオミクロン株などスパイク蛋白の変異株では効果が低下する。しかしオミクロン株感染でできる免疫は、スパイク蛋白だけではなくウイルス全体に対する免疫だ。従って新しい変異株に対しても効果がある。オミクロン株の感染力は非常に強く、流行の結果、人類は真の集団免疫を獲得できるだろう。

先に述べたように、ワクチン接種者の場合、ウイルスが侵入すると非特異的免疫が働く前に獲得免疫が働くので、非特異的免疫は弱くなる傾向がある。オミクロン株の場合、スパイク蛋白の構造が従来株と大きく異なるため、ワクチン接種者で誘導される中和抗体の産生量が低い、すなわち獲得免疫が働かない。そのためワクチン非接種者と状況はあまりかわらず、非特異的免疫が働き、ウイルス全体に対する免疫が強化されるだろう。

唯一憂慮される点は、現在開発されているオミクロン株に対するワクチンだ。オミクロン株のスパイク蛋白に対するワクチンを使えば、ウイルスは更に進化する。新型コロナウイルスはスパイク蛋白と細胞表面上のACE2が結合して細胞に感染する。これ以上ウイルスが進化すると、ウイルスはACE2以外の細胞表面のタンパク質が侵入経路になる可能性がある。そうなれば、新しいタイプのウイルスの出現となり、新たなパンデミックにつながる危険性がある。

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分析

論理的で説得力のある希望に満ちた予測だ。特に、ワクチン接種者がデメリットを被ることがない点、安心できる。パンデミックの収束メカニズムも、この予測で説明できる。対オミクロンワクチンはFDAが普通の手続きを要求すれば、第3相試験まで承認に必要なので、バンデン・ボッシュ博士が恐れていることは多分起こらないだろう。ファイザーとモデルナのCEOがコロナは2022年内に収束する、と云っているので、すでに博士と同じ見解を持っているのかもしれない。