周りを見ているとコーヒーを愛飲する人が多いが、私は完全な紅茶派だ。ただ嗜好品に多大な労力を注ぐことはなく、簡便な方法を工夫している。紅茶の中ではアールグレイは特別で、普通の紅茶は和菓子には向かないが、アールグレイは和菓子でも楽しめるし、また烏龍茶と同様、和食洋食にかかわらず食事の飲み物にもできる。
アールグレイはいわゆるフレバーティーの一つで、紅茶にベルガモットの香りをつけた紅茶である。原料の茶葉はキーマン茶が多いが、特に規定はないのでいろいろな茶葉を使ったアールグレイがある。中国に滞在していたグレイ伯爵が龍眼の香りを着香した茶が気に入って、英国に帰国後龍眼のかわりにベルガモットを使って作った、と伝えられている。アールグレイの起源については他にも諸説あるが真偽の程はわからない。しかし、第五代グレイ伯爵がトワイニングのアールグレイを元祖として認めているため、トワイニングのものを基準にするのが妥当だろう。
入れ方
リーフは使わず、必ずティーバッグを使っている。使う水は浄水器を通した水道水を沸騰させた後、直ちにティーバッグの解説通りの時間で蒸らす。水道水の空気含有量が多いと滲出効果が高い、と云われているので、大概溜め置きではなく、新しく水道から採った水を用いる。また、蒸らしている最中は必ずカバーをつける。最近はシリコン製のカバーを使っているが、以前は醤油小皿を逆さにしてかぶせていた。
ずっとマグカップを使っていたが、耐熱ガラスのカップが意外に良かったので、最近はこちらの方を使っている。耐熱ガラス製カップは、熱伝導率が陶器に比べて低く、また薄いため、温めておかなくても湯が冷めにくい。カップを温めるという手間を省くことができる。また茶の色彩を楽しむことができる。
それぞれのアールグレイの特徴
多種類のアールグレイのティーバッグが市販されている。以下のものを試してみた。
トワイニング・アールグレイ ー 元祖アールグレイ。
トワイニング・レディグレイ ー 1990年代初頭にトワイニングによって、アールグレイよりも香りにくせのない紅茶として北欧市場に売り出すために作られた。アールグレイよりもフルーツの香りが強く、フレバーティーとしてはこちらのほうが良いかも。ただし食事用や和菓子用には不適切。
成城石井 ー 柑橘系の香りがさわやかで、トワイニングのオレンジ・アールグレイに似ている。ピラミッド型ティーバッグの中に裁断化された茶葉ではなく、小さなリーフが入っており、抽出される茶の香りと味も大変よい。ただし成城石井のものと同じで、食事用や和菓子用には向かない。
アーメッド ー 英国の汎用品の会社だが、トワイニングと比べると柑橘系の香りが人工的で、化学処理を感じさせる。普段飲みには問題はなく、トワイニングのアールグレイと同様汎用性は高い。
トップバリュ ー イオンのプライベートブランド。アーメッドと似た香りだが、こちらのほうがずっと強い。汎用性に関しては問題ない。
ジャネット ー フランスのメーカー。通常のアールグレイとエクストラ・アールグレイがある。エクストラの方はよいが、安価な方は茶葉がよくない。
フレバーティーとして楽しむときは、成城石井とレディーグレイがよい。元来のアールグレイとしては、ジャネットの通常版アールグレイ以外は使えるが、やはりトワイニングのものが最もよい。
茶菓子
アールグレイは汎用性が高く、どのような菓子にも合う。今好んで食している菓子は、トップバリュのレーズン及びアーモンド・クッキー、やはりトップバリュの「くちどけチョコレート」、そしてオリヒロの「ぷるんと蒟蒻ゼリー」だ。
ただ、甘い物だけでは口の中に酸味が残るので、最後に塩味のおつまみで締めくくる。いろいろ試してみたが、前島食品の「おやつわかめ」がよい。