精密医療電脳書

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自傷的経済抑制の他の説明

以前の記事で中国、EU、米国では自ら自身の経済活動を抑制する政策を行っていることを述べた(世界的な自傷的経済抑制:G7のロシア外貨準備凍結、EUロシア産石油禁輸、上海ロックダウン - 精密医療電脳書)。奇妙な現象なので不思議に思っている人は多いだろう。私は次の新しい経済体制(ブレトン・ウッズ3)への準備段階と解釈しているが、別の説明を考えている人もいる。

 

「妙佛 DEEP MAX」というYouTubeチャンネルがあり、中国経済動向について日本では報道されないDEEPな内容を扱っている。他の中国関係のYouTubeチャンネルとは異なり政治的バイアスがない。妙佛氏も新型コロナによるロックダウンによる経済抑制について説明しているが、習近平政権の政策としては不思議ではないという。 

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中国経済は習近平と対抗する旧勢力(江沢民一派など)とそれと結びついた海外勢力にとってメリットが大きく、中国経済が拡大すると対抗する旧勢力を利することになる。習近平政権は自身の権力維持を中国経済よりも優先した政策を採っている、というのが妙佛氏の考えだ。この意見は多分正しく、現象の一面を捉えている。

 

西側の自傷的経済抑制に関しては、田中宇氏の解釈(本人曰く「田中史観」)が興味深い。彼のWEBページ「田中宇の国際ニュース解説」に多数の解説記事がある。米国のネオコンはウクライナの対ロシア政策を行ってきたが(ロシア・ウクライナ侵攻:対立の構図 〜 ロシア・プーチン政権 vs 米国ネオコンとそのスポンサー - 精密医療電脳書)、それ以前もイラン、イラク、アフガニスタンなど中東の軍事侵攻を主導してきた。これらの米国の軍事活動は、米国の出費を膨大にすることにより国力を弱体化、一極支配を終わらせ、ロシア、中国、インドなどが台頭する多極化世界へ移行するために、わざとネオコンと英米諜報界が行っている。これが田中氏の解釈、「田中史観」である。現在の自傷的経済抑制もその一環というわけだ。軍事活動に携わる人々が世代交代する中、20−30年の長期に渡って、このような突拍子もないプロジェクトを継続できるのか、という疑問があり、現実的ではない仮説だ、と思う。

いわゆるQアノンのディープステート陰謀論によると、ネオコンと英米諜報界の一部が米国の侵略的軍事侵攻を行ってきたいるが、これらの勢力と対立する勢力が米軍と英米諜報界内にあり、この勢力が最近力をつけて経済体制の転換を図っているという。ただしこの考え方も現実とは必ずしも合致しない。自傷的経済抑制を行っているのはバイデン政権でネオコン側であり、経済体制の転換を図っている対立勢力ではない。

中国に関しては、妙佛氏の意見が正しいが、西側の自傷的経済抑制に関しては、私の仮説も含め、今の所納得の行く説明は見当たらなかった。