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中国所感:勝海舟と妙佛 DEEP MAXで中国を理解する

最近遺伝子診断事業を一緒に立ち上げている会社の会長さんと話をする機会があり、中国の現状について訊いてみた。ひどいということで、品質管理も十分行われていない、という状況らしい。昨年の夏頃、中国が他の国よりいち早く経済回復したときには、生産がどんどん戻ってきている、これからは中国がやはり経済の中心だ、と云われていた。今年の冬場、上海ロックダウンの前後で、流通が遅延していた頃は、物が入ってこない、と云われていた。そして現在、経済成長が著しく鈍化しているが、ひどい状況とのことで、国立がん研究センターが中国の遺伝子検査会社と共同開発をおこなっていると聞いたが、大丈夫なのか、と疑問を呈されていた。大体報道されている内容と並行しており、口コミでの確認が取れた、と判断した。

 

中国に関して理解するのに、私は一般の経済ニュースと「妙佛 DEEP MAX」を参考にしている。「妙佛 DEEP MAX」では、一般には知られていないいろいろな中国に関する経済ニュースが伝えられるが、主宰者の妙佛氏によると、これらは中国語、英語の普通のメディアが伝えている内容で、日本のマスコミが報道していないだけ、ということである。日経関係のニュースでマクロの動きを把握し、現実の細部は「妙佛 DEEP MAX」で理解する、というわけだ。

 

しかし歴史的な認識がもっと重要で、勝海舟の次のコメントが本質を突いている、と考えている。「全体、シナを日本と同じように見るのが大違いだ。日本はりっぱな国家だけれども、シナは国家ではない。あれはただ人民の社会だ。政治などはどうなってもかまわない。自分さえ利益を得れば、それでシナ人は満足するのだ(勝 海舟. 氷川清話 ー角川ソフィア文庫ーより)」。

ディープステートに関する代表的論客の馬渕睦夫氏も同様の考えを持っておられるようで、中国人は超個人主義なので、国家としての中国は問題視しない旨の発言をされている。

世界史の教科書にもでてくるように、中国には科挙という誰でも受けられる試験に合格した者が官僚となり、行政にあたる。この制度は隋以降王朝が変わってもずっと維持されてきた。この教科書上の記載だけでは、中国には立派な官僚制度があるように見えるが、実際は、これらの官僚には報酬、給料がない(岡田英弘氏の著作で紹介されていた)。行政サービスを行う住民から直接収入を得るのだ。すなわち賄賂は、中国各王朝の官僚制度では正当な収入、ということになる。このようなことを1300年も続けてくれば、日本や西欧の法治国家とは異なる不思議な世界が出来上がってもおかしくはない。現在では中国共産党員が行政に携わっているが、王朝時代の官僚制度の伝統が色濃く残っていると考えれば「妙佛 DEEP MAX」が伝える不思議な世界は納得できる。

 

中国のGDPは世界第2位だが、その特徴は投資の占める割合が極めて大きいことだ。2021年では43%で同時期27%の日本よりも遥かに大きい。消費中心のGDPにかわらなければならないのだが、上記のようなCCPが住民や企業の便宜を計って回るようなシステムでは長期的な有効投資が困難なことは容易に察しが付く。人が全く住んでいない巨大マンション群や、巨大な赤字を出し続ける乗客需要を全く考えてない新幹線網など日本人からすると考えられない現象がみられる。中国の官僚制度の成り立ちを考えると納得がいく。投資の原資は地方政府が売却する土地の使用権だが、その売却がCCP党員の裁量によって行われるため、売却する側、される側双方の利益になるように行われる。そのため社会全体の利益を考えた投資にはならないのだ。経済成長においては中所得国の罠がある。これは「開発途上国(発展途上国)が一定規模(中所得)にまで経済発展した後、成長が鈍化し、高所得国と呼ばれる水準には届かなくなる状態ないし傾向(ウィキペディア)」であり、民主主義国家でないとこの罠からなかなか脱出できない、と云われている。この罠から脱出して経済成長を持続させるためには、投資から消費中心の経済に転換する必要があり、そのために中間所得層の形成が必要なのだ。しかし中国のような政治体制ではCCPとその周辺に富が集中し中間層が形成されていない。この点からみても中国がこのまま経済成長を続けるのは困難だ。軍事的脅威は厳然と存在するので注意する必要はあるが、多くの日本人は中国を過大評価しすぎている。

 

米国下院議長の訪台で戦争の危機が煽られているが、中国と台湾の経済的な関係を見ると、本当に戦争になるのか?、という疑問が湧いてくる。下のYouTubeで報じられているように、中国の輸出の大部分は台湾企業によるものだ。

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最大の例はアップルのIPhoneをつくっているフォックスコンで、いなくなると河南省全体の経済が崩壊する、と云われている。このような現状で台湾と戦争をするのだろうか? これは日本人的な考えで、妙佛氏の解説によれば、CCPは予想を遥かに越えて高圧的なようだ。あとは上のYouTubeを参照のこと。