精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

EGFRリキッド 〜 国産初のリキッドバイオプシー・システム

EGFRリキッドは、国産初のリキッドバイオプシー検査システムで、肺がん患者のための治療薬 EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の適応患者決定に用いる。2020年7月31日に承認された。EGFRリキッド概要と詳細解説ページヘのリンクを掲載する。

長い2020年上半期 〜 新型コロナウイルス所感

NSF(National Science Foundation)の 研究者 Philip Gable らは、パンデミックの最中のアメリカ国民の感情、認識、行動を記録するスマホのアプリを開発し、人々の時間感覚がどのようにかわったのか、そしてその原因を調査した(「新型コロナウイルスによる…

PI3K/AKT/mTORC1情報伝達系阻害剤(乳癌):エベロリムス vs alpelisib

アロマターゼ阻害剤治療歴のあるエストロゲン受容体陽性HER2陰性転移性乳癌には、PI3K/AKT/mTORC1情報伝達系阻害剤、すなわちmTORC1阻害剤エベロリムスeverolimus あるいはPIK3CA阻害剤 alpelisibが選択できる。

EGFRリキッドの臨床性能

EGFRリキッドの臨床性能(臨床検体を用いた検査性能)は、血漿検体と生検検体の相関性試験と、肺癌組織を用いたPNA-LNA PCRクランプ法との相関性試験で評価を行った。

EGFR exon 20 insertion エクソン20挿入 治療薬開発:amivantamab、オシメルチニブ、ポジオチニブ、TAK-788

エクソン20挿入はEGFR変異中約6%である。第一世代及び第二世代EGFR-TKIは効果がないが、新しい抗体薬 amivantamab、オシメルチニブ、ポジオチニブ poziotinib、TAK-788 の可能性が検討されている。

BRAF阻害剤:ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ

BRAF阻害剤ベムラフェニブ(ゼルボラフ)、ダブラフェニブ(タフィンラー)、エンコラフェニブ(ビラフトビ)はV600E変異陽性腫瘍に用いるが、MEK阻害剤(メラノーマ、非小細胞肺癌)あるいは抗EGFR抗体(大腸癌)を併用する。

PCRに必要なアイテム 〜 耐熱性DNAポリメラーゼと遺伝子増幅装置

PCRで使う好熱性菌由来のDNA合成酵素について解説します。またPCRを行う装置(遺伝子増幅装置)についても解説します。

PARP阻害剤 : オラパリブ等 〜 DNA損傷修復機構を阻害する分子標的薬

PARP阻害剤は、DNA損傷修復機構を阻害する分子標的薬である。国内ではオラパリブ(リンパーザ)のみだが、米国では他にルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブが承認されており、卵巣癌、乳癌、前立腺癌に対して適応がある。