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新型コロナウイルスのワクチン効果を水増しするトリック

新型コロナウイルスワクチンについては接種してから効果が現れるまでの期間を2週間として、この2週間はワクチンが効いていない、としている。最近の研究の多くでは、3回接種や4回接種の効果を調べるケースがあるため、この接種後2週間以内の接種者を未接種者として扱っている。この分類方法には重大な欠陥があることをノーマン・フェントン教授 Prof. Norman Fenton が指摘している。

 

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ポイントを説明すると:

まず全く効果がないワクチンを考える。この無効果ワクチン接種群(図の青の人)とワクチン接種群(緑の人)は接種後2週間で10%、3−4週間でさらに10%感染するとする(無効果ワクチンなので同数感染する)。100人について接種後2週間でそれぞれ10人、3−4週間で9人ずつ感染することになる。もちろん無効果ワクチンなので有効率(感染防御できた人の割合)は0%になる。

無効果ワクチン接種群と非接種群。無効果ワクチンなので有効率はもちろん0%。

ところが、接種後2週間の10人を非接種群に分類すると、3−4週では無効果ワクチン接種群は90人中9人が感染、それに対し非接種群は110人中29人感染していることになる。集計すると見かけ上のワクチン有効率は62%になってしまう。

無効果ワクチン接種群と非接種群。接種後2週間の無効果ワクチン接種者を非接種者とした場合。見かけ上の有効率は62%になる。

実際の研究ではワクチン接種者のほうが人数が多いのが通常だ。無効果ワクチン接種者が被接種者の5倍の場合見かけ上の有効率は78%になる。

無効果ワクチン接種群が非接種群の5倍の場合。見かけ上の有効率は78%になる。

新型コロナウイルスワクチンがオミクロン株であっても重症化予防効果がある、という報告を聴いてずっと不審に思っていたが(分子生物学的には考えにくい)、このトリックを知って納得した。統計を扱っていても、このような基本的操作は結構盲点で気が付きにくい。フェントン教授は、この点非常に優れた専門家で、以前にもコロナ死亡報告がずれるだけ見かけ上効果があるように見える、という考察を公表している。

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