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COVID-19 ファイザーワクチン:ブースター接種に関するFDAとCDCの見解

ファイザーワクチンのブースター接種(3回目接種)に対するFDA(アメリカ食品医薬品局、Food and Drug Administration)とCDC(アメリカ疾病予防管理センター、Centers for Disease Control and Prevention)の見解をまとめた。どちらも65歳以上あるいは18−64歳で重症化リスクが高いか医療従事者など罹患リスクが高い者が対象、という結論である。

 

FDA

最初の接種(2回目)から少なくとも6ヶ月後の接種についての緊急使用許可であり、対象者は以下のとおりである。

65歳以上
18歳から64歳でCOVID-19重症化リスクが高い者
18歳から64歳でSARS-CoV-2の被爆の機会が多くCOVID-19により重度の症状のリスクが高い者

 

CDC

最初の接種(2回目)から少なくとも6ヶ月後のブースター接種の対象者は以下のとりである。

65歳以上
18歳以上で長期療養中の者
18歳以上で基礎疾患がある者
18歳以上で職業上感染リスクが高い者
18歳以上で感染リスクが高い環境で生活している者

 

FDAは医薬品が市場で流通可能かどうか科学的に審査するのに対し、CDCは政策上の扱いを決定する。CDCの諮問委員会は65歳以上にブースター接種を限定する見解を出したが、所長決済でFDAと合致する見解となった。どちらも65歳以上の高齢者と医療従事者等感染リスクの高い職業に従事している者に限定する、という結論になった。

ファイザーがFDAに提出したデータの概略はFDAのホームページに公開されている(https://www.fda.gov/media/152176/download)。対象者数がそもそも少なく、またブースター接種後の経過観察も十分ではない。そのため、確定的な結論は出すのはそもそも困難である。したがって委員会の委員の見解は、データの解釈ではなく、現在のコロナを取り巻く現状を鑑みた専門家としての判断、と考えるほうが良い。ファイザーの申請は16歳以上に対する3回目の接種(ブースター接種)であるが、諮問委員会は次の理由をあげて対象者を限定する見解をだした。

edition.cnn.com

1)ブースター接種の必要性について議論するにはそもそも時期尚早である。
2)ブースター接種に関する安全性データが不十分である。高齢者のデータで若年者の状況を推察しているため、重症化リスクが高い人以外を対象とするには、データが不足している。
3)ファイザーの申請データは抗体価に関するものであり、細胞免疫や中和抗体に関するデータはない。
4)若年者について高齢者と比較したデータがない。とくに30歳以下で心筋炎のリスクが高いことがわかっている点に留意する必要がある。
5)ブースター接種をするよりも、まず1回目2回目の接種を優先すべきである。

日本国内でも3回目接種について盛んに報道されていたが、FDA, CDCの見解が出た後あまり話題にならなくなった。日本もブースター接種が始まるならば、FDA, CDCの決定に沿う形になるだろう。ただし、経口薬が期待できそうなので、ワクチンは不要になるかもしれない。

なおイスラエルは過激で、ワクチンの効果期限は6ヶ月と決められており、ワクチンパスポートの期限も6ヶ月できれる。そのため、ブースター接種が奨励あるいは強制である。もちろんこの政策に科学的医学的根拠はない。

jp.reuters.com