今話題のStable Diffusionはオープンソースの画像生成AIで、英語のテキストを入力すると自動的に画像を出力する。このソフトウェアを使って、歴史上の画家に宇宙船Spaceshipを描いてもらった。
ベラスケス
まず「画家の王」と呼ばれたベラスケス。特に右の作品は予想したとおりの出来上がりだ。
ダ・ビンチ
次にレオナルド・ダ・ビンチ。ダ・ビンチは戦車、都市計画、航空機など工学的なデッサンを多数残しており、的確に宇宙船を描いてくれる。
レンブラント
左は宇宙船だが、右の画は幻想的な帆船になってしまった。調べてみるとレンブラントは結構帆船を描いており、帆船の絵の比重が学習データ中で大きかったためこのようになった、と思われる。
フェルメール
同じくオランダの画家フェルメール。残念ながら残っている作品がほとんど室内画で、学習データが偏っているためか、的確な画を描いてくれなかった。特に右の作品は宇宙船ではなく宇宙人だ。
ダリ
シュールレアリスムの画家ダリの作品。どちらも予想し得ない独創的なデザインで、さすがである。このままSF映画やSFアニメーションに使えそうだ。
雪舟
日本からは雪舟等楊。雪舟だけは単純指定、すなわち"Spaceship by(画家名)"あるいは"Spaceship painted by(画家名)"では、よくわからない色彩画しか描いてくれなかった。そこで"Ink painting by Sesshu Toyo"と指定した。左の画は抽象的だが、右の画はアポロ月着陸船に似た宇宙船になっている。
アルタミラ洞窟壁画
最後に番外編でアルタミラ洞窟壁画。期待どおりの宇宙船壁画を描いてくれた。簡単にフェイク画像が作れてしまう。
今回の文章指定では、それぞれの画家の作品が学習データの中心になるためか、画家が画像生成に活用できる作品を残していなかった場合は適切な出力が得られなかった。フェルメールが典型例で、彼はほとんど室内画しか残さなかったため、「宇宙船」という指示ではおかしな室内画しか出力できなかった。ただしその他の画家では、ほぼ期待どおりの作品が得られた。Stable Diffusionは革命的なソフトウェアである。