[一般的注意] 映画の結末に関する内容が含まれているので、鑑賞予定の人は注意すること。
[遺伝子解析技術に興味のある人への注意] EXOは exonuclease とは全く関係はない。
EXO(原題:Alien Invasion: S.U.M.1)は2017年のドイツの映画。アマゾンプライムで視聴。あまりにもあんまりだったので紹介する。
ストーリー。エイリアン侵攻で文明が崩壊した世界。一部の人は“はぐれ族”と呼ばれて地上に住んでいるが、ほとんどの人はエイリアンを避けるために地下で暮らしている。地上には6箇所エイリアンの攻撃をバリアで防御している塔があり、若い兵士が交代で常駐している。兵士S.U.M.1(この世界では名前はなくて記号で呼ばれている)が任期100日ということで一つの塔に派遣されるが、全くエイリアンは出現しない。いろいろ小さな出来事があって、S.U.M.1は、エイリアンはフェイクだ、自分たちを地下に閉じ込めておくための為政者のフェイクだ、と考えるようになった。為政者の陰謀を暴くためにバリアを破壊する。ところが、その途端、実際にはエイリアンがいてS.U.M.1は殺されてしまう、という話。
アマゾンの批評で“大どんでん返し”と云っている人がいたので興味ができて見たが、エイリアンは最初の設定どおりやっぱりいた、という結末なので、どんでん返しでも何でもなかった。バリアを主人公が破壊したとき、夜空をミサイルと思しき光が飛び交ったので、一瞬エイリアンはフェイクで、人類の最終戦争を抑止するメカニズムだったのか、と思ったが、実際のプロットはつまらなかった。私のプロット通りにつくれば、もう少しまともなものができただろう。とにかくずっと森と古い建物を撮っているだけなので、主人公がエイリアンの存在を疑う様になる過程に、全く説得力がない。この点、似た設定の“オブリビオン”はSFXを駆使して説得力のある展開になっていた。タルコフスキーの“ストーカー”では、溝を流れる水を撮るだけで、ゾーン(立入禁止の異常空間)の異常性を感じさせていたので、SFXが必要というわけではない(タルコフスキーとこの監督を比較するのは気の毒だが)。説得力のある映像であれば、このプロットでも面白かったかもしれない。
タルコフスキーのことを思い出したので、“ストーカー”を見ようとしたが、アマゾンプライムにはなかったので諦めた。ノスタルジアはアマゾンプライム(有料)で視聴できる。