精密医療電脳書

分子標的薬 コンパニオン診断 肺がん ウイルス 人類観察

ロシアン・ティー・タイム

先日の記事(シカゴ、5月29日)の続き。シカゴ滞在時、必ずロシアン・ティー・タイムというロシア料理店を訪れることにしている。私の訪米の目的は、実はASCO参加だけではなく、シカゴ交響楽団を聴くことだが、ロシアン・ティー・タイムはいつも泊まっているホテルとシカゴシンフォニーホールのちょうど中間で、どちらからも徒歩2分くらいのところにある。来るたびごとに色々なメニューを試してきたが、ここ2年は同じものを頼んでいる。1年に1度しか来ないので、新しいものを頼んで期待はずれに終わるよりは、気に入ったものを食べるほうが良い、という判断だ。それはウズベキスタン料理のディムラマ(メニューにはUzbek "Layer" Stew DomlamaとあるがおそらくDimlamaの間違い)である。ディムラマはウズベキスタンの肉と野菜のシチューだが、ロシアン・ティー・タイムではベジタリアンメニューなので肉は入っていない。キャベツを主にして、野菜を何層にもかさねて煮込んである。とてもおいしい。そして食事と一緒に必ずロシアン・ティーを飲む。此処のロシアン・ティーダージリンを中心としたブレンドでブラックカラントの香りがついていて、ロックシュガーとビスケットと一緒に供される。

f:id:kkatogo13:20200603204649p:plain

ロシアン・ティー・タイム(左)。ウズベキスタン料理ディムラマ(右)。

日本ではロシアン・ティーといえば紅茶にジャムを入れたものを指すが、これは日本独自のものであって、ロシアではジャムを必ず入れる、ということはない。ロシアは隠れた紅茶大国で、ウォッカの次に消費される嗜好品が紅茶、ということである。ウィキペディアによると19世紀には歯にロックシュガーを挟んで紅茶を飲んだ、ということだが、現在でも同様の飲み方が残っている、という。米国にもロシアン・ティーと呼ばれる特殊な飲み物があって、これは紅茶にオレンジジュース、シナモン、クローブが入っている。クリスマスに飲まれるということなので、クリスマスシーズンに販売されるクリスマスティーと似たものと思われるが、オレンジジュースが入っているところがちょっと違う。もちろんロシアン・ティー・タイムは普通の紅茶である。

 シカゴの名物料理は、ステーキとピザと言う人が多い。ステーキは病院の同僚と一度試したことがあるが、厚く硬く完食するのにとてつもないエネルギーが必要だった。ピザも日本のシカゴピザのつもりで食べると愕然とするだろう。シカゴピザは日本では全く異なる美味な食べ物に進化している。ステーキもピザも日本の方がずっと旨い。唯一マクドナルドは日本と同じで、コンサートの日など時間のないときはマクドナルドのハンバーガーを夕食にしている。

 シカゴへは10年以上毎年行っているがASCOで忙しいため、あまり多くの店へ行っていない。特に中国料理店へは一度も行っていない。中国料理は各地域の人の好みに合うように調整されているので、土地によるバリエーションが多彩である。私は海外旅行の時その土地の中国料理店に行くのを習慣としていたが、シカゴでは行ったことがない。これから海外へ行く機会が激減すると思うと残念だ。